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2005年3月16日

読みたいマンガはこんなのじゃない

10年以上、毎週月曜日はスピリッツの日だ。小学館の週刊マンガ雑誌、ビッグコミックスピリッツ。

このスピリッツがここ最近軟弱になっている。新しく始まる連載のほとんどに「企画」の臭いが漂っている。もっと具体的に言えば、TVドラマのような様相になっている。弁護士ものの連載がスタートしたときに「マンガというよりTVドラマだよな」と思った。新たな連載が始まるたびにその「企画もの」は猛進し、この1月からTVドラマと同時進行でスタートしてしまった(GO! GO! HEAVEN!)。もちろんこれまでにも紫門ふみに代表される「最初から狙ってます感」を持った連載もあったけれど、それは恋愛至上主義という可もなく不可もない、無害なものでしかなかった。

が、去年から今週までに始まった連載は「経済・金融もの」、「就職活動応援もの」、「官僚もの」といった割とピンポイントな分野のものだ。
今、これを書きながら、何処かでこの系譜を見た気がする、としばし考えたら、80年代後半から90年代の日本映画だった。揃いも揃って皆軽いんだ。定番の人間模様を簡単な下敷きとしてめまぐるしく動く状況を語る物語、だ。加えて、先週今週(来週も)と「シリーズ SEX and the COMIC」と銘打ってこれもまた90年代のコピーをしている。コピーで思い出した。今の連載の中に松本大洋「ピンポン」のコピーみたいなのがある。結構参る。
ターゲットを明確にしているのだろうけど、それがはっきりすればするほど、失うものも大きい。数人の屋台骨に頼っていることがそもそもおかしな話なのに、新たな屋台骨を立てるのではなく「過ぎ去ることがわかりきっているもの」で飾っているのが軟弱なんだ。
スピリッツは過去に何度かマンガを越えたヒットを出しているから仕方のないことかもしれないけれど、今のやり方には品がない。垣根を越えた過去のヒットにはそれぞれに理由があって、例えば前出の紫門ふみやホイチョイはその時代の流行りや気持ちを巧みに利用していたし、美味しんぼはそれ自身がブームの火付け役になった。でもそんなわかりやすいのが通用するのも今は難しい。難しい中で映画になったピンポンは、映画のできはどうであれ松本大洋という作家の力であり、普遍に近いものだ。浦沢直樹、吉田戦車も同様。

マンガに求めるものは読む人によって違うからどうでもいいと言ったらそれまでだけれど、それに僕は他のマンガ雑誌をほとんど読まないからマンガ業界の状況がどんななのかいまいちピンとこないけれど、はっきりしているのは、やっぱり売れてないんだよな、ってことです。
これ以上つまらなくなったらがっかりなので、マンガを読みましょう。ブックオフで買わずに本屋で買いましょう。ちなみに次のスピリッツの発売は月曜が休日なので、3/19(土)です。

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