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2005年6月27日

劣化コピー、映画「電車男」

原作(この場合はまとめサイト)と映画を比べてしまうのは原作がある映画の逃れられない運命だとすれば、この映画は劣化コピーとしか言いようがない。何もかもが中途半端で、あらゆる点において薄っぺらく、全てのコマに製作(制作ではない)サイドの無理解を感じた。映画じゃない。テレビドラマ、しかも2時間スペシャルもの以下のレベルだった。

何がそこまでさせたのかは、恐らく製作委員会に名を連ねるテレビ局だとか代理店のある時点で止まったままの思考、自己保身、視野の狭さ、想像力の欠如、書き出したらきりがないが、インターネットと旧メディアのずれだろう。そのずれが如実に表れていた映画だった。

結果として脚本が最低最悪になった。
そもそも2ch、毒男板、住人のあおりと応援、というような様々な前提があるから「電車、どうするんだ! どうなるんだ!」と、読み手の感情が揺さぶられるわけだし、エルメスは本人が登場するのではなくて電車からの「報告」でしか知ることができないため、彼女のリアリティは読み手の脳内で補完され、それがこの物語の唯一の色気になっているのに、映画では中谷美紀が人形にしか見えなかった。人物の設定、背景が描かれていないため人間味ゼロ。ブラウザで見るだけならそれでいいんだ。電車男の報告だし、読み手の脳内補完だから。でも映画の中で登場人物にするなら人間を描かないと薄っぺらいだけになってしまう。できるだけ原作に忠実にやったのはわかるのだけれど、「ペラくなる」という結果が想像できなかったのだろうか。もうぺらぺらですよ。最新のコンドームより薄いんじゃないか。
中谷美紀が悪い訳じゃない。電車男を演じた山田孝之も好演だったし、その他の俳優たちも良かったと思う。演技は良いんだ。けれどその演技さえもしらけさせてしまう、ただ原作をなぞるだけの脚本のペラさ。終わり間近で映画オリジナルのシーンもあるけれど、原作を十分に理解していないが故の製作サイドの勘違い。このオリジナルのシーンでは、いろいろ問題があって電車がテンパってしまい、エルメスの勤める会社に無理矢理押しかけるのだが、それまでの行動を見ているとそんなことはしないし、できるはずもない。起承転結の「転」のシーンを強引につくったとしか思えない。そもそもこの話に「転」はないんだ。無理につくってつまらなくさせるくらいなら、原作をもっと忠実に、きちんとなぞれ。そのほうが潔い。住人たちも様々な問題を抱えている、という設定なのだが、それも全て中途半端だ。救いようがない。

ブログタイプなんていういかれた番組を始めてしまったフジテレビが中心にいるわけだから、このような結果になってしまうのも仕方ないのかもしれない。まあでも韓流ドラマだとか、純愛ベストセラーのやつよりも全然ましと思えば僅かな面白さは感じられるでしょう。

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Categories | 映画
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